The home made

朝イチで執務室へ赴き
「あの、これ妹からです」
小さな包みを差し出す。

質素ながらも愛らしく飾られた
リボンが華を添えている。

主人は包みを受け取ったのち
静かに目線を上げて
「お前からは、ないのか?」
そう尋ねた。

「あー……」
咄嗟に口は開いたものの
言葉を探して天井を仰ぎ
「工程の半分は、俺が」
絞り出すように答えた後は
顔を上げられなくなっていた。

-Fin.-

 2023年のバレンタインにふと思い立って作ったSS。
 こういうバレンタイン物も意外と書いてましたね。近年は恋人っぽい内容よりは、日ごろの感謝をこういう機会に、みたいな感じになってますが。

 2023年当時、最初に考えたときは後半の流れが少しだけ違いますが、上見て~下向いて~くらいの方が自然かしらと思ってみたり。古い方も下に掲載しておきますね。

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