邂逅

なぁ、アンタ。
ギースってどんな人間だったんだ?

ずっと何か言いたげだった、その若い男は俺の目を見てそう尋ねた。
その表情には覚えがあった。

点けたばかりの煙草をひと吸いしてから口を開く。

強くて、おっかなくて、完璧な人だった。
あの方一人で全てが解決できた。
それでもなお、俺や俺以外にそれぞれ相応しい役割を与えるような人だった。

男は黙って聴いていた。
微動だにしない、まっすぐで、探るような見極めるような、その視線が当時と少し異なることに改めて気づく。
「くすぐってぇな」
思わず口に出したら、訝しむ顔が見えた。
「は、気にすんな。俺もお前も大人になったってことだよ」
小さく笑って吸いかけの煙草を消すと、棍をゆっくりと握り直した。
相手も察したのか、構えに入る。
その時。
「一つ言っていいか?」
男は俺が目を合わせたのを確認し、一拍置いて言い放つ。
「あの時のようにはやられないからな!」

グラス越しに俺の顔色の変化がバレたかどうか。
そのガキみたいな眼差しに、口の端を上げて
「おう」
真正面から応じてやった。

-Fin.-

 今だから書ける、公開できる気がしたので書いてみました。CotWの時期の、ビリーとロックの会話です。

 私の中の勝手設定で、ロックが小さい頃ギース様に会いに来た時、実際に応対したのはビリーで直接ボコボコにして追い返した(ギース様には後で報告した)という妄想があり、CotWの時代に2人が正面切って闘う時にその記憶を念頭に置きながら会話する、っていうイメージで書きました。

 ロックが訪ねてきた時、ビリーは当時のロックの考えとか行動とかが大っ嫌いで、ギース様の血を引いてるのにそれかよ!って思ってしまったことがあるのだけれど、後々冷静に思い返すと若干大人気なかったと感じたり、「ギース様を知る」という機会を奪ったという自覚はあったり。

 4月にCotWが発売されたら、こんな嘘話吹き飛んじゃう気がするので。でも、10年くらいは煮込んでいるネタなので、投げておくなら今しかないとも思ったのです。

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